思い出のブラケット

以前運営していたブログから、『イメージしている金物が既製品では無い』とのことで、たまたまwebで検索されてご連絡を頂いた方とのお話です。

別荘にあるテラス部分の一部(梁と柱)に取付ける補強を兼ねた金物。素材感を出したい。などなど、電話とメールで用途とイメージをお聞きして、雰囲気などはお任せで製作させて頂きました。

6mmの板を曲げて、あとは僕の感覚で好きなように叩いてハンマートーン仕上に。現場からは『え?叩くんですか?ボコボコに?え??』という反応もありましたが、もうこの時点で、仕事と言うより “喜んで頂きたい” “いいモノを作りたい” という趣味の世界に突入です。(笑)

屋外で使用されるので黒の艶消し塗装で落ち着いた感じになりました。多少の錆が出てもそれを楽しんで頂きたいという事もお伝えして、ご理解を頂きました。

一度もお会いはできませんでしたが、取付後にお電話をいただき非常に喜んで頂けたようでホッとしました。

わざと叩く。傷をつける。ということで、鉄のおもしろい表情を引き出したり、手仕事でしかできない鉄のアジを出すことが、職人の理解を得る壁ではありましたが、やってみて見せて納得。僕の中では非常にいい体験になった仕事でした。

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